集団的な不確実性を通じた適応的再利用の未来について——孫雪方政
建築家が新たな建物の建設に反対するというのは、過激に思えるかもしれません。しかし、それこそが建築家の孫雪峰正が提唱していることなのです。COVID-19パンデミックの影響で経済成長が鈍化し、新たな建設活動が環境に与える悪影響がますます明らかになっている今、建築家たちは「ゼロから建設することが本当に最善の解決策なのか」と再考する時が来ているのではないでしょうか。
孫雪峰正は、大規模な改修や再利用プロジェクトで豊富な経験を持つ建築家です。ニューヨーク建築協会でメンターを務めたほか、コミュニティへの貢献が認められ、ワシントン大学セントルイス校からジェリー・アンド・ボブ・ヴァージル・サービス賞を受賞するなど、数々の賞を受けています。ライス大学で建築学の修士号を取得しています。
孫氏は既存建築物の改修や保存に関心を持っており、ニューヨークをはじめとする地域で行われた再利用プロジェクトにおける彼の専門的な取り組みからもこれが明らかです。彼はしばしば、既存建築物の活用は経済的に有益であるだけでなく、創造的な建築解決策を生み出す制約条件も提供すると指摘しています。最も重要なのは、既存構造の再利用によって新規空間の建設に必要な材料、エネルギー、労力のコストが大幅に削減されることであり、これは持続可能な未来へ向けた責任ある取り組みだと言えます。
中国で育った孫氏は、1980年代の経済改革以降に中国の都市が経験した爆発的な成長と大規模な建設活動を目の当たりにしてきました。彼は「フェーズ・コレクティブ」という研究プロジェクトを通じて、現代の都市計画に対する自身の批判的な見解を形成し始めました。このプロジェクトでは、「ボリシェビズム」「FLABB性」「不確実性」という3つの概念で現代都市計画を説明しています。
**ボリシェビズム**もし中国の現在の都市計画を特徴づける一語があるとすれば、それは「ボリシェビズム」でしょう。孫氏によれば、過去50年間に中国の都市では2度の大規模な計画・建設ラッシュがありました。最近の波は広範囲にわたる「ボリシェビズム」の現象を引き起こしました。1978年の経済改革以降、不動産業は地方政府の主要な収入源となり、都市郊外の大規模な農地や村落が系統的に計画され、商業施設に変換されています。利益を最大化するために土地は小さな区画に分けられ、建てられる建物もほとんどが単一の機能しか持っていません。これらの建築物は大企業によって建設され、その運営も多くの場合大企業自身が行っています。
孫氏は、「ボリシェビズム」的な都市計画にはあいまいさという要素も含まれていると指摘しています。建物の体積は統一された材料やパネルで覆われており、内部の機能を区別することがありません。このような設計は建物のファサードにも明確に表れており、建物は独立した存在として機能します。その結果、都市は意味あるコミュニティが形成される機会や意欲をほとんど持たない「島々」のような状態になってしまいます。高密度の集合住宅地や商業施設は、集団と個人の間の中間領域を消失させ、ある意味で「集団」自体も形骸化してしまいます。街路がその市民的機能を失うことで、そこでは誰がどのように出入りし、どれくらいの時間滞在できるかという制限が厳しくなります。
**FLABB性**多くの人が驚くかもしれませんが、この研究プロジェクトでは「ボリシェビズム」とは対照的なタイポロジーが取り上げられています。それは1950年代の計画経済時代に建設された集合住宅です。これらの建物もまた中央集権的に計画・建設されましたが、「ボリシェビズム」とは異なり、小規模であり、街路も狭いです。時間が経つにつれて、これらの集合住宅の1階部分はレストラン、バー、店舗、薬局などで埋め尽くされています。
地元企業の成長によって密集した商業地区が形成されました。これらの商店は規範に従わないことが多く、混雑しているものの、その数の多さから様々な商品やサービスを提供することができます。孫氏が指摘するように、小規模で密集したこのような商店は運営コストが低く、食品や飲料、サービスなどの商品も手頃な価格で提供されています。
「ボリシェビズム」的な都市計画とは対照的に、FLABB性の建築物は理解しやすく、アクセスしやすく、柔軟に使える構造を持っています。商店の内容はしばしば街路にまで広がり、視認性も高まります。FLABB性の建築物が提供するサービスは、大規模な商業施設に比べてより身近で信頼性があります。商店の規模は元々存在していた住宅ユニットのサイズに直接関連しています。住宅部屋には通常耐荷重壁という構造があるため、建物の拡張も限られています。しかし、これらの構造によって商業活動は特定の範囲内で行われることになります。
**不確実性**孫氏の研究プロジェクトの目的は、FLABB性のタイポロジーを変え、都市中心部の活動密度を回復させることです。これを実現するために、FLABB型建築物の解体、増築、改修が行われています。建物レベルでは、FLABB性に内在する中立的な性質が明らかになります。街区レベルでは、以前は閉鎖的だった一次元的な都市構造に多様性と層のような構造が生まれます。
このプロジェクトの結果として、「不確実性」という新たな状態が生まれています。建物がプログラム的に中立的になることで、各機能の境界線が曖昧になったり消えたりします。解体や増築によって街区の一方的な方向性も弱まり、結果は不確実性を帯びます。最終的な成果は、個人と集団という複雑な概念が不確実な文脈の中で表現されることになります。
「ボリシェビズム」とFLABB性は中国の都市で広く見られる現象であるため、適用可能な場所は事実上無限です。しかし孫氏が北京を研究対象としたのは、その政策的な重要性だけでなく、中国で最も大規模な街区が存在するからでもあります。これらの街区の多くは「公社」と呼ばれる国家機関や工場、企業が従業員に住宅を提供していた時代の遺産です。金村地区では、ほとんどの住宅建物が同じ16メートルの規格で建設されています。このような再現性の高い集合住宅地は、さまざまな改善策を試すのに理想的な場所です。このプロジェクトでは、より大きな地区の第6区画を対象としています。この区画には東西に走る道路、南北に走る道路、小道、交差点など、共通の条件が整っています。

「フェーズ・コレクティブ」というプロジェクトでは、5棟の既存住宅建物を対象に解体、増築、改修が行われます。街区レベルでの介入によって、従来の一次元的な街区構造が変化し、多層的な構造が生まれます。建物レベルでは、FLABB性に内在する中立的な性質が明確に表現されます。共同利用の中庭や施設も集団的な空間として機能します。
具体的な改修内容は以下の通りです:
- 既存の住宅建物をプログラム的に中立的な構造に変える
- 「車両収納スペース」を設け、それをプログラム的に中立的な空間に変換する
>2階建ての商店を設置する
既存の未使用の付属施設を活用する
共同利用の施設を整備する
建築家 孫暁峰
孫氏のプロジェクトは野心的でありながらも配慮深いものです。「フェーズ・コレクティブ」で提案されている改修内容は、中国のどの都市でも適用可能であり、これによってそれぞれの地区の生活環境が大きく改善されるでしょう。一方で、原建築物の構造を過度に変更することは避けられており、住民たちは新たな改修工事が行われてもその場所に留まることができます。孫暁峰は、解体や再建ではなく、適応と再利用の重要性を力強く主張しています。
孫氏は引き続き建築家として活動し、気候変動に対応しつつ社会的に公正な空間を創造していきます。彼の活動についてはsunxiefangzheng.comでご覧ください。







