映画における建築とデザイン:視覚文化を育んできた作品들
視覚文化や美的感覚を育む映画たち
映画は物語や登場人物だけではありません。建築やインテリアデザインが重要な役割を果たす視覚的体験でもあるのです。デザインや建築における視覚的インスピレーションを高めるために、どのような映画を見るべきか探ってみましょう。
『グランド・ブダペスト・ホテル』-インテリアデザインが主役となる時
ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)は、デザインを愛する人々にとってまさに目の贅沢です。監督は細部へのこだわりで知られており、本作ではその才能を存分に発揮しています。
ホテルの内装はアール・ヌーヴォーと20世紀初頭の東欧風グラマーが融合しています。映画のあらゆるシーンから色彩や構図の選択を分析することができ、特にピンクの壁と赤いカーペットが施されたロビーは見事です。
豆知識:ドイツのゲラ市にあった廃墟となったデパートが撮影現場として使用されました。デザインチームは建物を完全に改造し、1930年代の豪華なホテルの雰囲気を再現しました。
『コロンバス』-都市そのものが主役となる時
小川洋介監督の『コロンバス』(2017年)は、モダニズム建築を愛する人々にとって最高の贈り物です。この映画はインディアナ州の実在するコロンバス市で撮影されました。
エーロ・サーリネン、I.M.ペイ、ロバート・ヴェントゥリーといった有名な建築家の作品が登場し、カメラは建物の形や細部を丁寧に捉えています。
特にペイが設計した図書館は、その幾何学的な形状と光の使い方が物語の重要な要素となっています。

『アイ・アム・ラヴ』-イタリアン・モダニズムの輝き
ルカ・グアダニーノ監督のこのイタリア映画は、情熱の物語であると同時に、建築が人々の生活にどのような影響を与えるかを探求しています。
物語の舞台はミラノにあるネミ・カンピリアのヴィラで、これはイタリアン・モダニズムの傑作です。厳格な線形と洗練された素材が使われた内装は、登場人物の個性を反映しています。
興味深いことに、グアダニーノ監督自身もインテリアデザインに情熱を注いでおり、撮影地選びにも直接関わりました。











