なぜロシア人はカーペットが大好きなのか(もし自分がそんな環境に住んでいる場合はどうすればいいのか)
カーペットに関する誤解やミームを批判的な目で見てみると、その真の歴史が明らかになり、現代のインテリアにおけるカーペットの役割についても考えることができる。
『誤解の百科事典』
1. カーペットの発祥地は東洋であり、ロシアとは何の関係もない。
実際には、世界で最も古い羊毛カーペットはロシアで発見された。1949年にアルタイ山脈の墓丘から掘り出されたこのカーペットは約2500年間氷の中にあったため非常に良い状態で保存されており、現在はエルミ塔に展示されている。
2. 壁に掛けられたカーペットはソビエト連邦の発明であり、趣味が悪い証拠だ。
実際には何世紀も前からヨーロッパ人の家々ではカーペットが使われてきた。特に装飾的な模様が施されたカーペットが一般的であり、11世紀以上にわたってヨーロッパで壁用のタペストリーも制作されていた。
3. ロシア製のカーペットは価値がなく、誰にも評価されていない。
しかし、10月革命後に最初にヨーロッパへ移住した人々は、最も貴重な物品としてロシア製のカーペットを持って行った。1920年代にはソビエト政府が何百ポンドものカーペットを電球や薬品と交換し、1928年だけでカーペットの輸出から1000万ルーブルの収入を得ていた。
5. ソ連製の「おばあちゃんのカーペット」などは捨て去るべきだ。
世界で最も高価なカーペットはソtheby’sのオークションで3400万ドルで売却された。したがって、おばあちゃんの大切な財産であれば専門家に鑑定してもらう方が良いだろう。
17世紀初頭に南東ペルシア(ケルマン)で製作された「クラーク・カーペット」。オークションカタログでは「三日月形の模様が施されたカーペット」と記載されている。モスクワ在住のある女性は、ベルベットのテーブルクロスを処分したいと思っていた。しかし東洋博物館から説明を受けると、彼女が持っていたのは17世紀にインドのムガル帝国で作られた貴重な絹製カーペットだった。このようなカーペットは世界中でもほんの一握りしか存在せず、その価値は計り知れない。
6. カーペットは暖かさを保つためや音響を遮断するためだけに使われるものだ。
高品質な羊毛で作られたカーペットは体温をうまく保持し、急激な温度変化を和らげてくれる。つまり、暖房器具ではなく「自動調節機能」を持っているのだ。また、騒音も吸収する。しかし隣室からの音を遮断したい場合は、隣人の部屋にカーペットがある方が効果的だ。逆に、自分の部屋にカーペットがあれば、足音や子供たちの走り回る音も下の階には響かない。
心理学者によると、カーペットは特に1960年代から70年代にソビエト連邦で育った人々にとって心を温めてくれるものだ。多くの人々は子供時代に過ごした環境を再現しようとしているのだ。
アートオブジェなのか、投資対象なのか?
ロシアでは個人がカーペットを製造し、その独創的なデザインで注目を集めている。
例えば、サマラにある会社はモスクワのデザイナーの案に基づいて刺繍入りカーペットを製造しており、サンクトペテルブルクで展示された「GDPの倍増」というポップアート作品がメディアで大きく取り上げられた。この作品の縮小版はギャラリーに展示されたが、警備システムがなかったためすぐに盗まれてしまった。
また、「USSR」という赤いカーペットは、モスクワのマネージ展で見られた「パーク文化レジャー」の格子模様から着想を得て制作されたもので、有名なコレクターが現金を持参して購入しようとしたほどだった。
しかし、国内で新しく製造された高品質なカーペットを購入する人はほとんどいない。また、いわゆる「ヨーロッパ製の手作りカーペット」も、1平方メートルあたり4,500ユーロ以上する上に、実際には東洋や中東で生産された後、再販業者によって「○○製」とラベル付けされて輸入されるのだ。
そうした状況の中で、カーペットの愛好家はフリーマーケットやオンラインショップ、オークションを通じて歴史的な価値があるカーペットを探すしかない。適切なものを選べばその価値は年間30%まで上昇する可能性があるが、専門的かつ高額なメンテナンスが必要だ。
では、現代のインテリアにカーペットは適しているのだろうか?
歴史的な価値を持つ装飾要素を捨てる必要はない。ロフトスタイルの建築やチェスターフィールドソファ、エスニックな装飾と組み合わせれば、より魅力的な空間が生まれる。デザイナーたちも今なおカーペットを積極的にインテリアデコレーションに活用している。
カーペットは全体の雰囲気を決定づける主要な要素として使われることもあれば、部分的なアクセントとして使われたり、空間の区分けや他の装飾品と組み合わせて使われたりする。
カーペットの色合いや柄、デザインを他の家具や部屋のサイズとバランスよく調整することで、理想の雰囲気を作り出すことができる。
カーペットの線状の模様や幾何学的なデザインは、部屋全体の雰囲気を引き立てる要素として機能する。重要なのは、全体的なデザインコンセプトを保つことだ。
東洋風やボホスタイルのインテリアでは、足置きやクッションを添えたり、異なるサイズのカーペットを重ね合わせたりすることで、より魅力的な空間が作れる。低くて広い窓辺にも羊毛製や織物製のカーペットを置くと良い。
スカンジナビア風のモノクロインテリアでは、東洋のモチーフが施された控えめなカーペットや、北欧伝統の技術で作られたグラフィックデザインのアイテムが適している。
ミニマリズムやハイテクスタイルのインテリアでは、カーペットが周囲の環境と対照をなすように使われる。つまり、シンプルな家具や控えめな色合いの中で、鮮やかな色や表現力豊かな質感を持たせるのだ。
一方、アヴァンギャルドやコンテンポラリースタイルのインテリアでは、カーペットが他の装飾要素と有機的に統合される必要がある。
ロフトスタイル、インダストリアルスタイル、ラウドなスタイルのインテリアでは、石や木、金属が多用されるため、控えめな色調が使われることは少ない。むしろカーペットが主役となり、部屋の雰囲気を明るくする役割を果たす。
エクレティックスタイルやアートデコスタイルのインテリアでは、柄豊かなカーペットが空間に活力を与えてくれる。
古典的なスタイルのインテリアでは、専門家の意見を参考にすることが望ましい。カーペットの選択や使い方については特に注意が必要だ。
カーペットの取り付け方法も、隠すのではなく積極的に表現することが大切だ。木製のストリップや装飾用のフック、太い鎖などを使って取り付けることもできる。
では、カーペットを正しく敷く方法は何だろうか?
本当に価値のあるカーペットを持っているなら、そのカーペットを中心にインテリア全体をデザインすることもできる。しかし、無理に高級なものを選ぶ必要はない。快適さを重視し、部屋に合ったカーペットを選べば良いのだ。
20平方メートル以上の広い部屋では、2枚のカーペットを敷くこともできる。異なるデザインのカーペットを使うことで、各エリアの機能が明確になる。
15から20平方メートル程度の中規模な部屋では、重い家具が圧迫されないようなカーペットを選ぶべきだ。必ずしも中央に敷く必要はなく、家族がよく過ごす場所に置くと良い。
6平方メートル以下の小さな部屋では、標準的なサイズのカーペットよりも長方形のものの方が適している。
フロアに敷くカーペットのサイズは、家具を配置しても広々とした空間が感じられるようなものであるべきだ。カーペットが装飾的な役割を果たす場合は、家具同士を繋ぐ役割も果たす必要がある。例えば、アームチェアやコーヒーテーブルをカーペットの上に完全に置いたり、ソファの少なくとも3分の1の部分をカーペットの上に置いたりするのだ。
カーペットを使ってダイニングエリアを際立たせたい場合は、椅子の脚がカーペットの端を持ち上げないように注意する必要がある。カーペットを選ぶ際や家具を配置する際には、各辺に十分な余白を確保しておくことが大切だ。








